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ボタンが大好き。ボタンを使ったハンドメイドアクセサリーや雑貨のことや、日々の雑記など。
by sunotakara


譲り受けたボタン達のこと。

実家近くの小さな手芸店。
わたしが子供の頃にフェルトを1、2度買いに行った記憶があるので、かなり昔からあるお店です。
今は開店時間もまちまちで、店のシャッターは開いていても開店しているように見えない。。でも母に「生地の物量がすごい!」と聞いていたので、先日訪ねてみることにしました。

店に入ると、噂どうり足の踏み場もないくらいの生地達。
その中に(まさに埋もれて)、ほっそりしたご主人が新聞を読んでいた。

わたしがボタンを探してると言うと、「奥にあるから好きに見て」
と、通してくれた。

ぐっしゃぐしゃに積まれたボタン箱。
かなり古いものもあって、箱もボロボロ、中身もほとんど入ってないものもある。

ごそごそ物色していると、「何につけるの?」と訪ねられ、
ボタンを使ってアクセサリーを作っている、と答えたら興味を持ってくれたらしく、
「気に入る物があれば箱ごと持っておいで、安くお譲りするよ」と言ってくれた。

目星をつけた箱をごっそり持って行くと、ご主人その量に驚いた様子。
でも「しっかり見ると未練が出て来るから、さっと見てさっと値段をつけるね!」と、物を確認しながら、自分の身の上話を少ししてくれた。

ご主人、生地にまつわる仕事を60年以上されてきたらしい。
生地は仕入れも販売も知識がいるから、誰彼に引き継いでもらえる仕事じゃない、
自分の子供たちには引き継げなかったとぼそり。。
「もう今後長くお店が閉まっていたら、ぼく死んじゃってると思ってね」と軽く笑って言われた。
最初は冗談だと思って聞いていたけど、どうも本当に体が悪いらしい。。

「生地達を宝物を見るように眺めてるよ」
「ものを作ることは素晴らしいことだ」
「自分の作っているものを、胸を張って続けていきなさいね」
「(生地やボタンは)手を加える事でいくらでも化けるから」
「おじょうさんを応援するから!」。。

沢山のボタンとレース生地を、まさにサンタクロースのような状態で持って帰りました。

話の端々から、伝わってきたご主人の仕事への心意気。生地やボタンへの愛情。
帰ってから2、3日は会話を思い返してました。

ただ「買った」のではなく、「譲り受けた」ボタン達、大切に使わなくては。
譲り受けたボタン達のこと。_a0133306_17472138.jpg
ご主人、折角知り合えたのに。もっと生地の話聞かせて欲しいなぁ。
長生きしてください!
by sunotakara | 2010-12-12 08:32 | 日々雑記
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